結論から言うと、
「物件が良いから成功するなんて絶対にあり得ない!」
そもそも、何を基準にして“良い物件”なのかが、実に抽象的だ。今では恥ずかしい限りだが、開業を考え始めた私も最初は物件、物件、物件・・・と思っていた。しかし、運のいいことに開業コンサルタントをしている親友の言葉で目が覚めたのだ。
私:「良い物件があったら紹介してくれよ!」
友:「お前やっぱり何にも分かってないな、そんな依頼の仕方じゃ失敗するぞ。でもまあ、
“はい分かりました、どの辺でお探しですか、お住まいはどちらですか、診療科目は何ですか”なんて言って探しだす業者がたくさんいるから無理も無いけどさ・・・」
私:「でも、ディラーやコンサルタント、不動産屋はすぐに動いてくれたよ」
友:「そりゃあそうだ、お前は商売の相手だし、“ハイハイ”って言って探し始めることが業者にとっても一番簡単な方法だからさ」
私:「ほかに何が足りないって言うんだ?」
友:「じゃあ聞くけどさ、“自己資金”キャッシュでいくら持ってるの?」
私:「だいたい僕の貯金が500万円ぐらいあるかな」
友:「ほらやっぱりな・・・。あのね“だいたい”なんて言葉は起業する人間は言っちゃいけないの。まあ、難しい話をしても分かんないだろうから、まず簡単な質問に答えてみてよ。お前は、渋谷区原宿周辺で開業するのか、それともゴルフ場近くの郊外で開業するのか、どっち?」
私:「どちらとも言えないけど・・・」
友:「わかってないね・・・。俺の質問の真意は、原宿の50坪と田舎の50坪とじゃあ、保証金も違うし、家賃も違う。原宿の1階なら最低でも保証金は坪60万円で家賃は坪5万円、保証金だけで3000万円必要だよ。お前3000万円持ってるの?」
私:「でも原宿で開業するつもりないよ、僕」
友:「まだわからないか。俺が言いたいのは“自己資金”すらハッキリしてないのに物件なんて探せるわけがない、ってことだよ」
私:「だけど、そんなこと誰からも聞かれなかったよ」
友:「だから言っただろ、“ハイハイ”って動くことが業者にとって一番簡単なんだよ。別にそれが100%間違ってるって言ってるんじゃない。確かに物件を探すことは重要だし、難しいことも確かだよ。でも、大事なことは“情報の質”なんだ。つまり、お前の現在の”実態=真実=事実”だ。」
私:「具体的に言ってくれ」
友:「探す側が一番最初にお前に聞かなければならないのは“自己資金”、2番目は“親族から借りられる資金”、・・・本当はこれも自己資金のうちだけどね、それから3番目は“保証人の存在”、4番目に“ライフスタイル”、”診療科目”は最後だ」
私は親友の言葉を聞いて愕然とした。物件探しの前に確認してハッキリさせておかなねばならないことが山ほどあったのだ。>>>