医師が開業するにあたり、一番わからないのが医院の設計や内装の施工だ。専門外の分野だからこそ、安心して任せることのできる会社に頼みたい。前頁でも述べたが、信頼出来る内装会社を見分けるポイントは次の5つだ。
以上のポイントを踏まえ、私の経験と開業医間での評判、現在の医院内装業界の状況から、いくつかの設計・設計施工会社を選び比較した。是非参考にしてほしい。
| 会社名 | 保証 | 特徴 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 株式会社キーステーション | 最長10年 | クリニックに特化した設計施工会社。開業支援や開業後の経営サポートも手がけているためトータルで相談が可能。開業資金計画に詳しく、初期見積もり段階で、開業にあたり必要な備品までを計上するため資金ショートの心配がない。コンサルタントからの紹介はなく、医師との直接取引を前提としている。 | ◎ |
| タカラスペースデザイン株式会社 | 無 | タカラベルモントグループの建築部門が独立。サロン内装を得意としているが、クリニック内装でも広範囲(東日本全域)で施工経験を持つ。企業HPで施工したクリニックの図面が公開されている。コンサルタントからの紹介はなく、医師との直接取引を前提としている。 | 〇 |
| 建幸産業株式会社 | 無 | クリニックに特化し、内装リフォームを得意とする設計施工会社。施工した物件に合った家具やインテリアの設計・製造もおこなっている。内装に不具合が出た場合の対応が迅速。 | 〇 |
| オジデザインワークス株式会社 | 無 | 歯科をメインに、医科や他商業店舗などを手がける設計事務所。デザインを得意としているため、パンフレットやHP制作もあわせて相談できる。施工会社ではないため、設計図完成後にあらためて施工会社に見積もりを依頼しなければならない。 | △ |
私の経験上、信頼出来る内装会社の判断材料は“保証”、“知識”、“見積書の誠実度”だ。
上の表では、開業医の間で評判の良い4つの設計・設計施工会社を比較したが、私が最もお奨めできると判断したのはキーステーションである。実は、ここは私が開業時に世話になった会社でもある。私が開業した10年前から現在でもクリニックの経営のことで連絡をすることがある。なぜか。その答えは、キーステーションがデザインした内装と開業後のフォローに満足したからに他ならない。
基本的に、内装工事には法律的な保証期間の 定めがない。しかし、キーステーションには他社では無かった10年保証があった。私は開業を決心した段階で、数十年は同じ場所で診療を続けたいと考えていた。それならば将来に至るまで責任を持って基礎工事をおこなう施工会社に依頼するのが得策だと考えたのだ。10年という保証期間の設定は、手抜き工事をしないという自信の証拠だ。また、キーステーションでは工事の質を落とさないために受注を年間24件までにおさえ、充分なアフター対応を実施するためにエリアを1都3県までにしぼっている。
開業したら、同じ場所で10年、20年・・・と長く腰をすえた診療を続けたいと思うのが当たり前だ。基礎工事の不備のせいで改装工事を繰り返すクリニックを好んで選ぶ患者が果たしているだろうか。無論、いるわけがない。責任感のある会社を判断する目安のひとつが保証期間なのである。
医科・歯科含め医院の内装は、他の商業店舗と色合いが異なる。専門機器や患者・スタッフの動線、地域性を考慮したインテリアなどの知識が必要だ。決してクリニック専門の内装会社に限定するわけではないが、少なくとも医院内装経験のある会社に依頼したい。
クリニック内装に特化したキーステーションでは、エビデンス(色彩学・証明額・行動心理学)に基づいた医院づくりを実践し、これまでに100件近くのクリニックの開業や経営のサポートした実績を持つ。しかも、私を含めすべてのクリニックと現在も良好な関係が続いているというから驚きだ。もちろん私のクリニックも、頼まれれば見学を受け入れている。
内装会社の料金を比較する場合、我々は複数の会社から見積もりをとる。見積もり額は会社によって様々だったが、よく見てみるとその内容にはかなり違いがあることがわかるだろう。必ず確認するべきことは、後から追加工事・別途工事費用がかかってしまう内容かどうかだ。後々に必要になると思われる備品(待合室のイスやスタッフ用ロッカーに至るまで)をすべて初期見積もりに計上してくれたのは、キーステーションだけだった。キーステーションが出した見積書の額は他業者と比べて決して安いほうではない。だが、着工後に追加費用を請求する可能性のある安価な初期見積書と、別途費用を支払う必要のない確実な見積書のどちらを選ぶかは自由だ。
信頼出来る会社を見極めるために、我々は、開業に関する正しい“知識”を持ち、確かな“情報”を選ばなければならない。最終的に判断するのは自分自身だ。ただ、忘れてはならない。我々の目標は“開業すること”ではない。“成功すること”だ。