無料診療圏調査の実態
“診療圏調査”が無料なワケ
私が開業を相談したコンサルタントなどの医療系企業のほとんどが、開業地域の人口等から患者数を算出してまとめた診療圏調査なるレポートを提出してきた。不思議なことに、同じ物件の調査でも各社の分析結果が微妙に異なるのである。いや、微妙どころか、全く異なる結果を出してきた会社もあった。どういうことだろうか?
結論、
「無料診療圏調査を基に、成功の可能性を語る業者は絶対に信用するな」
無知だった私が、マーケティング・リサーチ専門の大手企業(医療業界ではない)に勤務する友人(通称ハカセ)にこの疑問を投げかけたことで初めて知ったことだ。
無料でおこなう調査のレベル
- 私:「同じ物件の診療圏調査が企業によって異なることってあるの?」
- ハカセ:「異なっていてもおかしくないよ。企業によって調査基準が異なるのは当たり前だよ。医療業界のことは良く知らないけど、マーケティング・リサーチを専門にしているウチみたいな企業はその時の経済変化によっても調査基準が変わる時もある。
もっと厳密に言うと、行動心理学や社会学を取り入れて新たな基準を設定しなければならない時もあるしね。当然、各企業によって調査費用も異なるってわけだ。その診療圏調査の費用っていくらぐらいかかったの?」
- 私:「いや、開業を手伝ってくれる関係企業が無料でレポートしてくれたんだ」
- ハカセ:「無料?本当に無料なのか?そのレポート今持ってるなら見せてよ」
- ハカセ:「(しばらく眺めてから)・・・このレポートは、文字通り“調査”だね。これなら無料なはずだ」
- 私:「マーケティング・リサーチ企業の行う“調査”とは違うの?」
- ハカセ:「根本的に“調査”と“マーケティング・リサーチ”は全く違うよ。 だってこの無料診療圏調査の内容って誰にでも調べられるレベルだよね。だから無料なんだよ。
出店をするか否かを決める“マーケティング・リサーチ”の費用は、規模にもよるけど、最低でも300万円はかかるかな。費用をかけた上で出店しないことだってあるしね。でも、投資をするからには当たり前のことだよ」
- ハカセ:「まさか、この調査結果だけで成功するとか、開業できるとか、って判断するわけじゃないでしょ?」
- 私:「・・・いや、その・・・判断材料として、かなりの割合を占めるって聞いてるけど・・・」
ハカセはきっぱりと“誤り”だと言い切った。
無料の“診療圏調査”は、時間をかければ自分でも調べられる程度の内容だ。やはり無料には無料の価値しかなかったのだ。もちろん、参考資料のひとつにはなるかもしれないが、出店判断のほんの一部でしかない。そして、話の最後にハカセから「医療のことならAAに聞いてみた方が良いよ」とアドバイスをもらった。間もなく私は高校時代のクラス会で友人AAと再会することとなった。>>>